会社経営で知っておきたい売上計上基準の基礎知識|債権債務管理いろは


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会社経営で知っておきたい売上計上基準の基礎知識

売上計上基準の基礎知識

売上計上とは?

売上計上とは、企業が商品や役務を提供したら売上処理として、帳簿に勘定を記載することです。

役務提供型の会社で、上場している会社や上場を目指している会社、また、収支を正しく把握したい会社は、役務提供のタイミングで売上計上をします。

売上計上基準とは

売上計上は、商品の引き渡し時やサービスが提供されたタイミングで行われます。売上計上基準とは、簡単に言えば、売上計上をどのようなタイミングで行うかの基準です。

ネット通販の売上計上のタイミング

例えば、ネット通販で物を購入した場合、その物が自宅に届いた時点で売上計上になります。なお、昔は物を出荷した時点で売上計上していました。厳密にはこれはおかしな話です。なぜなら、物が届いていないのに請求書が届くという現象が発生するためです。

コンサルティング契約の売上計上のタイミング

また、例えばコンサルティングなどの役務提供では、コンサルティングを提供し終えたときが売上計上のタイミングです。例え年間契約で1年分の請求を先にしたとしても、役務が提供されなければ売上計上されません。

このように、商品の販売や役務提供など、納入時期によって売上計上の時期が決まります。

売上計上基準の主な種類

売上計上基準には、売上計上をするタイミングにより、さまざまな種類があります。会社の業種やサービスの提供方法によって異なります。

納品基準

決済が現金で行われる飲食店や小売店では、現金を支払ったタイミングが売上計上となります。このように、単純に現金と商品のやり取りであれば、売上計上基準は簡単に理解できます。お金の流れと売上計上が一致するため、売上を見ていれば、お金の流れが分かります。

出荷基準

ネット販売販売では、出荷した日、納品した日、現金を受け取った日がバラバラになります。そこで、お金が動くタイミングではなく、商品を出荷した日を売上計上基準とする方法があります。

ネット販売で、先に現金をお振込み頂き、それを確認してから出荷する方法ですと、売上計上をしたときに、手元に現金があるので、管理がしやすいです。売掛で商品を出荷した場合には、回収サイクルのスパンによって、資金繰りが必要になり、黒字倒産もあり得ます。商品が先に動きますが、お金が後で入ってくるので、売掛金や回収の管理が必要になります。

役務提供完了基準

サービス業などの役務を提供する企業の役務提供完了日した日、サービスや工事が完了し引き渡しをした日が売上計上日となる場合を役務提供完了基準といいます。サブスクリプション・モデルのサービスは、この基準が該当します。

複数月に渡って継続的にサービスを提供する場合は、期間を区切って、期間が終了した時点で、売上計上します。例えば、1年間の契約を1月毎に12回で区切って、1月毎に計上します。

ちなみに、このような売上計上のことを「期間計上」といいます。また、一定の期間で区切ることを「期間按分」といいます。サブスクリプション・モデルのサービスを提供している企業が株式上場を目指す場合は、期間計上が求められます。

部分完成基準

契約に基づいて、全体が完成していなくても、一部完成時に「ここまでできているのでお金をください」という具合に分納してもらうのが、部分完成基準です。建設業やソフトウェア開発など、仕事の請負の場合にこの方法が取られることがあります。

工事進行基準

建設業やソフトウェア業などで、工事の進行度合いに応じて、売上計上をしていきます。

工事の進行具合の評価を、時間や数量、金額などで評価して進行度合いを決めますが、進行度合いを正しく評価できるかがポイントです。

IFRS(イファース/アイファース)

IFRSとは国際財務報告基準の略です。商品を顧客に納品するまでに、商品が損傷したり盗難に遭ったりする可能性があるため、IFRSでは出荷基準を採用することができません。

「1月31日に商品を出荷しました。」「顧客には2月1日に到着しました。」「請求書には1月31日と記載されています。」この差が、日本の仕組みと世界基準とでのずれがあります。

サブスクリプション・モデルでの売上計上

サブスクリプション・モデルでは、毎月の定額請求の他に、年間などの一括請求し、前受金(前受収益)を先に頂く場合もあります。

毎月の定期請求の場合は、役務提供が負えた時が売上計上のタイミングです。

前受金(前受収益)を先にいただいたときの会計処理は次のようになります。

例えば、貴社がサーバ会社を運営してたとして、サービスの月間利用料が1万円で1年契約だったとします。1年分の利用料12万円を先にお支払いいただら、その12万円分の役務は、まだ提供されていないので、そのまま売上計上してはいけません。先に支払われたお金は前受収益として計上し、毎月1万円ずつ、売上高に振り替えるようにするのが、正しい経理処理となります。

サブスクリプション・モデルの売上計上については、前受金・前受収益と売上計上をご覧ください。

販売管理パッケージソフトについて

このように、売上計上基準にはさまざまな種類がありますが、多くの販売管理パッケージソフトは、このような複雑な売上計上基準に対応していないことが現状です。そこで、当社では複雑な売上計上基準に対応したパッケージソフトAllyを開発しました。

一般的な統合基幹業務パッケージ(ERP)と比べてミニマムに導入することができますので、特に外部業者と提携して役務提供を行うサービス業で良さをご実感いただけることと思います。

当社では、販売管理システムを導入されるお客様に対して、売上計上基準の種類や売上計上のタイミングについてお聞きし、システムでの実現方法をご提案いたします。複雑な売上計上基準に対応した販売管理システムAllyの導入をぜひご検討ください。

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