正しく会計計上をするために知っておくべき期間按分とは?
期間按分とは?
期間按分とは、複数月を跨ぐ契約期間のサービスや役務提供の収益や費用を対応する期間に応じて按分し、売上や経費として会計に計上する計算方法のことです。
按分されるのは契約期間に対する契約金額であり、契約期間の月数などといった数的基準をベースにして金額を按分することになります。
また月数按分、売上分割計上、原価分割計上、期間計上といった用語も期間按分と同じ意味です。
販売管理業務での期間按分
販売管理業務での期間按分の発生する科目の代表例として、前受金と長期前払費用があります。
前受金の期間按分
販売管理業務で発生する科目の期間按分の代表例は前受金です。
例えば、クライアントと1年間のクラウドサービスの契約をしたとしましょう。その契約時に1年分の240,000円の契約金額を請求し入金して頂く場合、入金された金額は前受金となります。クラウドサービスの提供のタイミングは1年間にわたって行いますので、240,000円を12カ月で按分した金額の20,000円を各月前受金から振替え売上計上していきます。
前払費用の期間按分
また前出の1年間のクラウドサービスの契約に対して仕入があり、前受金と同じく1年分の支払いをしている場合は前払費用として計上します。
1年を超えて役務提供を受ける場合、その費用となる部分の支払った金額を長期前払費用といいます。
この前払費用も期間按分が必要となります。
例えば、仕入先と1年間の役務提供の契約で1年分の120,000円の契約金額を支払いした場合は、この金額は前払費用となります。役務提供のタイミングは1年間にわたって行いますので、120,000円を12カ月で按分した金額の10,000円を各月前払費用から振替え費用計上していきます。
こうすることによって月々の収支のタイミングが一致し、企業会計における正しい収益の把握につながります。
期間按分の運用
期間按分の運用には、Excelなどの表計算ソフトで行ったり、販売管理パッケージソフトを用いたりする場合があります。
Excelで運用する場合の問題点
契約金額に対しExcelシートで入金額と月毎に按分した金額を入力し、毎月の売上金額を計算し会計システムに入力している企業が割と多いかと思います。
Excelで期間按分を運用する場合、Excelシートの入力や整合性を保つことに経理業務時間がとられ、また複数人で共有化が難しい属人化した作業なので経理部門での課題となっているケースが多いです。
販売管理パッケージソフトを用いた期間按分
販売管理パッケージソフトによって、期間按分に対応しているものと対応していないものがあります。
物販や在庫管理を伴う小売流通向けの販売管理パッケージソフトは物が取引先にわたったときに売上計上や費用計上をしますので期間按分に対応していない場合が多いです。
物を伴わないサービス提供型の企業に向いている販売管理パッケージソフトには、期間按分に対応しているものがあります。複数月の契約期間に対し、月数にて按分し計上額の集計が可能で、請求に対する未収金の管理の他に、前受金残の管理に対応しており販売管理パッケージソフトの計上金額と会計システムの仕訳金額を一致させることができるのが特長です。
当社が開発した販売管理パッケージソフトAllyは、後者のように期間按分に対応したシステムです。前受金や前払費用の期間按分による、正しい会計計上を行いたい企業様は、ぜひAllyの導入をご検討ください。