売掛金残高一覧表と売掛金年齢表とは?
売掛金や売掛債権とは?
売掛金残高一覧表や売掛金年齢表を説明する前に、売掛金や売掛債権を理解する必要があります。
売掛金とは
まず、売掛金とは商品は売ったけどお金を貰ってない金額の事を指します。例えば、商品を発送したり、サービスを提供したりして売上に計上されても、対価の支払いが来月末だったとします。その商品やサービス提供分の対価が、売掛金となります。
売掛債権とは
また、売掛金を受け取ることができる権利のことを、売掛債権と言います。債権の種類に、未収金と売掛金があります。単に「債権」と言われる場合、この売掛債権のことを表すこともあります。売掛金は、貸借対照表では流動資産として扱われます。
手形での支払は?
手形での支払いの場合、現金は受け取っていませんが、手形は現金化することができるので、勘定科目は「売掛金」にはなりません。手形を受け取ったら勘定科目は「受取手形」になります。
売掛金(債権)の回収サイクルで事業活動が適切か判断される
特に上場企業では、事業活動が適切に行われているかどうかの判断材料として、売掛金(債権)の回収ができているか、または売掛金の回収サイクル(売掛金回転期間)がどうかも見られます。この売掛金の回収管理がしっかりと出来ているかにより、企業の資金繰りが大きく変わってきます。その為、より適切に売掛金の管理を行っていく事がとても重要となります。
未回収になっている請求は、得意先元帳に代表される帳簿にて確認できますが、売掛金を管理する際の管理資料には、「売掛金残高一覧表」と「売掛金年齢表」を使用すると便利です。売掛金年齢表のことを売掛金管理表、売掛金残高一覧表と売掛金年齢表を合わせて売掛金台帳と言われることがあります。
どちらも、売掛金の回収管理をするためには、とても大切な資料となります。
売掛金残高一覧表
売掛金残高一覧表は、得意先別に前月の売掛金残高や当月の売掛金発生額、当月の入金額、当月の売掛金残高等を一覧で確認することが可能です。
この確認により、まず得意先毎に、どのくらい売掛金が残っているのか、どのくらい売掛金が発生したかを把握できます。
売掛金残を把握することで、その中から支払いが滞留しているものはないかの確認に繋がっていきます。
売掛金年齢表
そして、2つ目は滞留債権の確認、特に長期未収入金や貸倒損失に計上するタイミングを把握するのに大きく役立つ「売掛金年齢表」というものがあります。
滞留債権とは
滞留債権とは、回収できていない債権で相手からの入金が期日より遅れているもののことです。長期未収入金とは、1年を超える滞留債権の勘定科目のことです。また、貸倒損失とは、回収できなくなった滞留債権を管理するための勘定科目のことです。
売掛金年齢表とは
売掛金年齢表とは、得意先、または入金先毎の売掛金の未収入金残高を、売上日や入金期日を基準として、月ごとなどの一定期間の時間軸で区分して管理する一覧表です。
売掛金が発生し、何ヶ月経過しているか等の情報が表示されるため、以前から滞留している売掛金の状況が一覧で確認することが可能で、滞留債権の発見に繋げることができます。
得意先毎に回収サイトは異なりますが、例えば、ある得意先の支払条件が「月末締めの翌々月末払い」であれば、正常にお支払いがあれば売掛金年齢が3ヵ月以上を超過することはありません。
この場合、4ヵ月超の年齢の売掛金があれば、不良債権発生の兆候と読み取れるでしょう。支払いが遅れている得意先に対しては、支払の催促を行うことや取引を一時停止する等の措置の検討も必要となります。
会計監査で提出が求められる売掛金年齢表
そして、上場企業であれば、会計監査に際にも滞留債権がないかどうかの確認のために、売掛金年齢表の提出が求められることがよくあります。
このように、売掛金年齢表は売掛金残高一覧表と共に定期的に確認することで、滞留債権を減らし企業の資金繰りにとって大きな役目を果たすことができる重要な管理資料なのです。
売掛金管理をするために
売掛金の把握や回収管理ができるシステム
売掛金管理を行うための管理表には、「売掛金残高一覧表」や「売掛金年齢表」を用います。売掛金残高一覧表や売掛金年齢表には、取引先毎の売掛金残高が計算されて出てくるので、売掛債権管理が容易に行えます。そのため、販売管理システムを導入する場合は、売掛金残高一覧表や売掛金年齢表の出力を標準で備えているものを選ぶべきです。
販売管理システムAllyが出力する売掛年齢表
販売管理システムAllyの債権債務システムならびに債権システムは、売掛年齢表をExcel形式で出力することができます。得意先毎の売上日、または入金期日から、どれぐらいの金額の未入金が何カ月経過しているかを把握でき、売掛金管理が容易になります。
当社が開発した販売管理システムAlly(債権債務管理システム/債権管理システム)では、「債権残高一覧表(売掛金残高一覧表)」と「売掛金年齢表」を出力することができます。当社のパッケージソフトウェアを導入されたお客様には、ご要望があれば、このような一覧表の活用方法をお教えすることも致します。お気軽にご相談ください。