収益認識基準とは
はじめに
収益認識基準とは、企業が顧客との取引から得られる収益をいつ、いくらで計上するかを定めた会計基準です。従来の会計基準では、業種や取引形態によって収益認識の仕方が異なり、企業間の比較が困難でした。
この問題を解決するために、2018年3月に国際会計基準審議会(IASB)が「収益認識に関する会計基準」(IFRS 15)を策定し、日本でも2021年4月以降開始の事業年度から適用されています。
主な内容
収益認識基準は、以下の5つのステップに基づいて収益を認識します。
■契約を特定■
顧客との契約を特定し、その内容を分析します。
■履行義務を特定■
契約に基づく履行義務を特定します。
■取引価格を配分■
取引価格を履行義務ごとに配分します。
■収益を認識■
履行義務を履行した時点で収益を認識します。
■収益の認識後の見積り変更■
履行義務の履行状況等に基づいて、収益認識後の見積り変更を行います。
従来の基準との主な違い
従来の基準では、商品販売やサービス提供といった取引の完了時点をもって収益を認識していました。一方、収益認識基準では、契約に基づく履行義務を履行した時点で収益を認識します。
例えば、ソフトウェア開発の場合、従来の基準ではソフトウェアの納品時に収益を認識していましたが、収益認識基準では、ソフトウェアの開発、テスト、導入、保守といった履行義務をすべて履行した時点で収益を認識します。
影響
収益認識基準の適用により、多くの企業で収益認識のタイミングや金額が変更になる可能性があります。これは、企業の財務諸表や経営指標に大きな影響を与える可能性があります。また、企業は収益認識基準への対応に必要なシステム改修や社内教育などのコストを負担する必要があります。
まとめ
収益認識基準は、サービス内容や契約形態によって異なります。
上記の注意点を参考に、自社の状況に合った適切な方法を選択することが重要です。
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