前受金と前受収益の違い
「前受金」はよく使われる用語ですが、前受金に似た用語で「前受収益」があります。前受金と前受収益の違いをまとめました。
前受金とは
前受金は、商品やサービスを購入するのに対して、先に頂くお金のことです。このとき、先に支払われたお金は、何の商品やサービスを購入するか、数量などは決まっていないことが条件となります。
商品やサービスを提供したら、勘定科目が前受金から売上高に振り替えられます。そのときに残ったお金は、前受金残高と言われます。
前受収益とは
「前受金」と称して頂いたお金であったとしても、すでに何を購入するのかが決まっている場合があります。そのような場合に、先にもらったお金のことを前受収益と言います。
例えば、レンタルサーバの契約や、エステやコーヒーの回数券など、先にお金を支払って、数回に分けて役務や商品を提供してもらいます。このような場合には、契約の時点で先に支払ったお金の用途が決まっているので、前受金とは言わず、前受収益と言います。
契約負債とは
新収益認識基準で契約負債が追加
前受金と前受収益について述べましたが、ここで契約負債という用語をご紹介いたします。契約負債とは、商品やサービスを提供する前にもらった負債のことです。つまり、前受金や前受収益は、契約負債の一種であると言えます。
そして、上場企業や大企業は、2021年4月より適用された新収益認識基準によって、前受金や前受収益は、「契約負債」という仕訳に変わりました。
なぜ前受金や前受収益が負債なのか?
「なぜ、前受金や前受収益が負債なのか?」と疑問に思われたことでしょう。
前受金や前受収益として代金を受け取ったので、商品やサービスを提供する義務が生じます。そのため、「負債」という名称が付いています。
新収益認識基準で「前受金」から「契約負債」に変更
そして、上場企業や大会社は、2021年4月より適用された新収益認識基準によって、前受金や前受収益は、「契約負債」という科目に変わりました。
仮受金とは
前受金に似た用語で仮受金があります。これは、入金の理由が明確でないものや未確定なものの場合の勘定科目です。入金の理由が明確になったら正しい勘定科目に振り替えます。